営業電話の恐怖



ところが翌朝。
さっそく、あの名古屋の探偵の相談担当員から電話がかかってきたのです。
営業電話ではなく、あなたのことが気になって、心配だったから、と前置きをして。探偵にはピッタリの世話焼きさんだった。

それから、両親に相談したかどうか、と。
そんな探偵が絡んだこと、両親に相談できるわけもない。
まだ確定したわけでもないのに。

昨日は旦那さまが帰ってきたので、実家に電話できなかったとうそをついた。
すると、今度は、旦那さまの様子がどうだったのか、しつこく聞いてくるのだった。
もう、うっとおしいったら。

わたしは、インターホンが鳴っていないのに、お客様がきたから、と、あわてたふりをして、電話を切らせてもらった。
わたしは、悪いことをしたわけでもないのに、なぜかドキドキしていた。
なんとなく、追い詰められているような気分。

昨日は、別の名古屋の探偵のところにも聞いてみて、価格の違いを知りたいと思っていたのに、その電話のせいで、他のところに電話する勇気がもてなかった。

そして、翌日。
また同じ時間にあの相談担当者から電話がかかってきたのでした。
わたしは一晩悩んで、断り方を考えていたのだ。
同じように両親に相談したかどうか聞かれたので、昨夜、相談してみたけれど、逆に怒られてしまった、ということにした。
探偵を雇おうかと思っている、と話したところ、旦那さまの稼いだお金で何を考えている、と言われたので、そのためのお金を貸して欲しいなんて頼むことはできなかった、と。

すると、この名古屋の相談員さん、だったら内緒で調査した方がよい、と。
どこまでねばるんだ?昨日のことがあるので、覚悟はしていたけれど、お会いしたときにもお話したけれど、その金額を支払うことが出来ない、というと、
今度は、1日だけでも調べたらどうか?と。

自分で、1日で結果はでない可能性がある、なんて言ったことは忘れてしまったのだろうか。
それからも、あれやこれやと調査をすすめるようなことばかり。
両親にも相談して、現状を知られてしまったし、もうわたしの判断ではお願いできません、ときっぱりお断りをし、ようやく電話を切ることができた。

そのあとすぐ、この相談担当員さんの番号を着信拒否したことは言うまでもない。 名古屋の探偵だからといって、こういった所ばかりではないと思うのだが、初めての所がそういうところだった為に、先が思いやられた。

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