調査料金のナゾ



もうぶっちゃけてしまうと、名古屋の探偵さんを雇うなんて、普通の家庭では無理なんだ、と思いました。

待ち合わせ場所に現れた女性は、やはり母親より年上かと思われる年齢の方でした。
きっちりとスーツを着込んだ姿は、まるで保険担当者のよう。
これなら、傍目から見ても、保険の相談をしているように見られるかも、と、ちょっと安心する。
その年齢差とタイプから、絶対に友達にはみえないだろうから。

ファミレスの奥に席をとり、さっそく見積もりを見せられた。
それまでの会話は、このまま旦那さまを放置するより、早めに目を摘んだ方が良いというような、探偵としてのアドバイスなのか、一人の女性としてのアドバイスというのか?

でも、探偵の調査見積もりの一番したにある金額を見て、目を見張る。高いだろうと想像はしていたが、その金額は100万円を超えていたのだ。
たった、3日の調査で。
しかも、契約金という名目で30万もの金額が記載されていたのです。 名古屋価格?

なんでも、1回の調査ごとにかかってくるので、最初に日数を契約しておかないと、調査を追加すると、これがさらにかかってくるので、5日くらいは見ておいた方が良いのでは?とすすめられた。
こんな金額を払うくらいなら、子どもの学資保険をまとめて先払いした方が良いじゃん、と腹も立ってくる思い。

なのに、“今家庭崩壊してしまったり、相手の女性にお金をとられたりするより、今のうちに現実に目を向けてもらって、悪い芽を摘んでしまったほうがよい”という言葉が、はっきり断る勇気をなくしてしまう。
言われるように、今のうちに事実を知って、家庭に帰ってきてもらうのが一番なんだし。

ただ、その金額があまりに高い。
素直にそれだけの金額を支払える余裕のないことを伝えると、両親に相談して出してもらってでも、今のうちに調査して事実を知るべきだ、と、熱弁されてしまった。

人にお金を借りてでも調査を、なんていう目の前のおばさんが、なんだか相談したくない相手に見えてきた。
相手が熱くなれば熱くなるほど、自分の気持ちも落ち着きを取り戻す。

考えてみたら、探偵会社はここだけじゃないんだし、見積もりしてもらってまた高かったら、お金がありません、と断ればいいという結論に達した。

あまりにしつこいおばさんに、(すでに探偵会社の人だと言う感じに見えなくなっていた。)両親に相談して検討してみます、ということで、その日はなんとか返してもらえた。
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